はじめに
こんにちわ
数週間前、下記の英語のニュースを目にしました
これはイギリス政府のホームページですが、題名は
“Government to develop new protocols around concussion in sport”(スポーツ中の脳振盪に関して政府が新しいプロトコルを構築する)
上記のように、スポーツ中の脳振盪に関してイギリス政府から公式な声明がありました
今までの脳振盪に関する声明は関連団体や学術団体会からのものなど、脳振盪に主に関わる団体の声明が多かったですが、今回はイギリス政府としての声明なので国家政策の1つとしてスポーツ中の脳振盪に取り組むという印象を持ちます
では、この声明はどんな内容だったのでしょうか?
声明自体は36ページあるのですが、ここでは要約部分にある10項目を見ていきたいと思います
スポーツ中の脳振盪に関するイギリス政府の声明
1 オックスフォード大学などによって行われるスポーツ中の脳振盪に関しての研究をイギリス政府はサポートする
2 ”Sport Concussion Research Forum”を医学会や学術団体と共に2022年1月までに開催し、研究すべき課題の優先順位をつける
3 今までのイギリス国内や国際的に使用されている脳振盪プロトコルを基盤としてイギリス国内で共通の脳振盪プロトコルを作成する。そのプロトコルの内容は2022年以内に関係各所と合意を得るようにする
4 公的資金が投入されている”UK Sport”や”Sport England”には、どのようにすれば新しいプロトコルが実際に現場で履行できるかという疑問に関して”MInister of Sport”(スポーツ庁長官的なものかと思います)から書簡を送る
5 新しい脳振盪プロコトルを実施するために、利害関係者の新しいネットワーク機構を構築する
6 新しい脳振盪プロトコルをより効果的にするために、政府内の関係省庁間での連携を強化する
7 スポーツ団体と選手組合においてトレーニング内容や方法について議論を行ってもらい、その際に選手の長期的な健康(Long-Term Welfare of Players)を考慮する重要性を説く
8 プレミアリーグ(イングランドのプロサッカーリーグ)のクラブにて選手の健康に関する研究を2022年に行い、さらにその研究の拡張なども議論していく
9 ITやテクノロジー会社との会議を開催し、技術的イノベーションなどでスポーツ中の脳振盪発生数や症状の緩和が期待できるか協議する
10 スポーツ中の脳振盪に関してテクノロジーの進歩で改善できる部分があれば、その改善点を2022年の秋までに実践する
以上がイギリス政府が発表した声明の要約です
まとめ
今回はイギリス政府が発表したスポーツ中の脳振盪に関しての声明を見てみました
内容自体もそうですが、国の政策の1つとして発表されているので、イギリスという国家としてこの問題に取り組むという意思表示なのかと思います
また、この声明にもあったのですが、「スポーツは多大な恩恵をもたらしてくれるけれども、選手の長期的な健康(Long-Term Welfare)も考慮しなければならない」というような、Players’ Welfareというのは今後のスポーツ界・スポーツ医学会のトピックになり続けるかなと思います
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