こんにちわ、爪川です
脳振盪後には眼球運動や機能に一時的な障害が起きることが多いです
それらの障害は例えばめまいや頭痛、眩しく感じるといった症状に繋がる恐れもあります
ですので今回の記事では脳振盪後のよくチェックされる眼球運動や機能について、その正常な状態と異常な場合の動画をまとめてみます
眼球運動:正常・異常動作の例 まとめ
眼球運動や目の機能にはさまざまなものがありますが、今回は以下の論文に掲載されていた5つについて見ていきたいと思います
<今回取り上げる5つの機能>
- サッカード(Saccade)
- パスート(Smooth Pursuit)
- 前庭動眼反射(Vestibulo-Ocular Reflex)
- 輻輳開散運動(Vergence)
- 対光反射(Pupillary Light Reflex)
サッカード(Saccade)
サッカードとは2つの目標物の間を素早く眼球を動かす動作です
例えば右手に持っている物を見ている状態から、ふと正面にある物体を見る様な場合に起きます
以下がサッカードの正常動作と異常動作の違いです
機能が正常な場合は急速に眼球が動き、焦点もしっかり合わせることが出来ます
ですが機能障害がある場合は眼球の動きが乏しかったり、焦点を定めるの時間がかかるケースなどが出てきます
パスート(Smooth Pursuit)
パスートとは動く物体を追いかける眼球運動です
動く物体が常に眼球の中心(中心窩)に収まるように精密に動きます
以下がパスートの正常動作と異常動作の例になる動画です
パスートに機能障害があると、眼球の動きが乏しかったり滑らかではなくなる様な場合があります
前庭動眼反射(Vestibulo-Ocular Reflex)
前庭動眼反射は頭部が急速に動く際に、目標物を眼球の中心に安定させておくための身体の反射機能です
例えば頭を左右に回しながらも文字が読めるのは、この反射のおかげです
以下が前庭動眼反射の正常動作と異常動作の例になる動画です
前庭動眼反射に機能障害があると、頭を動かした方向に眼球も一緒に動いてしまい、目標物を眼球の中心安定させることが出来ません。
また、右の動画の様に頭の動きの後に眼球を”動かし直す”ような動作も起きる場合があります
輻輳開散運動(Vergence)
輻輳開散運動(ふくそうかいさんうんどう)とは「寄り目」にしたり「寄り目から眼球を元の位置に戻す」動きです
寄り目にするには左右それぞれの眼球が内側を向かなくてはならず、元の位置に眼球を戻すには眼球を外側に動く必要があります
以下が輻輳開散運動の正常動作と異常動作の例になる動画です
輻輳開散運動に機能障害があると、「寄り目になる動きがぎこちない」、「片方の目だけしか寄り目にならない」などが起きる場合があります
対光反射(Pupillary Light Reflex)
対光反射とは光の強さによって瞳孔の大きさが変化する反射です
強い光を眼球に当てると瞳孔が小さくなるのはこの反射の1つの機能です
以下が対光反射の正常動作と異常動作の例になる動画です
対抗反射に異常があると「光を眼球に当てても瞳孔が小さくならない」「小さくなった瞳孔が光を外しても元の大きさに戻りにくい」などが起きる場合があります
まとめ
以上、簡単ではありますが脳振盪後によくチェックされる眼球運動や機能について、その正常例と異常例を見てきました
脳振盪後では眼球運動や機能に機能障害があることが多く、それらを見過ごさないことが競技復帰に向かうには1つ大事なことかなと思います
参照資料
2 U-M Kellogg Eye Center in Ann Arbor, Normal and Abnormal Eye Movements
3 onlinemedicalvideo, Abnormal Cranial Nerve Exam : Smooth Pursuit
4 Michigan Medicine, RS Supranuclear Ocular Motor Pathways Part 5 – Vestibuloocular Reflex
6 HandballGoalkeeper, Convergence Insufficiency
8 mnfOphth, Abnormal pupil examination
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