こんにちわ、爪川です
今回は前回の記事の後編となります(前回の記事はこちら↓)
Concussionとmild Traumatic Brain Injuryの違い:後編
前編はmild Traumatic Brain Injuryの診断基準について見ていきました
そこでは6つの基準について記載されていましたが、今回の後編の記事ではその6つの基準の詳細を見ていこうと思います
6つの基準
まず6つの基準とは以下になります
基準1:生体力学的に妥当性の高い受傷起点が先行し、
基準2;頭部外傷に起因する徴候が1つ以上あり、
基準3:症状が2つ以上あり、
基準4:頭部外傷に起因する臨床検査やラボラトリー検査の所見が1つ以上あり、
基準5:CTやMRIで頭部外傷の神経画像所見があり、
基準6:交絡因子が基準2、3、4の症状、兆候、所見に十分な説明がつかない場合
基準1
「基準1は生体力学的に妥当性の高い受傷起点が先行」ですが、これは頭部に対して外力が加わったことを指します
外力の加わり方としては以下が挙げられます
①物が頭部に直接ぶつかる
②地面などに頭をぶつける
③頭部への直接の衝撃はないものの、脳が揺れるような加速・減速がある
④爆発などによる衝撃
基準2
「基準2は頭部外傷に起因する徴候が1つ以上あり」ですが、兆候とは例えば以下を指します
①意識消失
これは衝撃を受けて倒れる際に無防備になっていることや、身動きがない、反応がないなども含まれます
②覚醒状態の変化
これは刺激に対しての反応が遅かったり、間違った反応をしている場合を含みます。その他にも感情的な行動も含まれます
③健忘症の有無
これは衝撃が起きた後のことが思い出せたい、もしくは衝撃の前のことが思い出せないことも含みます
④その他の神経学的徴候
立ち上がるさいにもたつく、痙攣、異常肢位などが含まれます
基準3
「基準3は症状が2つ以上あり」ですが、症状とは例えば以下を指します
①主観的な意識状態の変化
例えばぼんやりする、困惑するといったことです
②身体症状
頭痛、吐き気、めまい、バランスや視覚の問題などが含まれます
③認知症状
霧の中にいる感じ、もやもやする、集中できない等が含まれます
④感情症状
情緒が不安定になったり、いらいらすることを指します
基準4
「基準4は頭部外傷に起因する臨床検査やラボラトリー検査の所見が1つ以上あり、」ですが、それは以下のようなことを指します
①臨床検査での認知障害
②臨床検査でのバランス障害
③前庭動眼機能テストでの動眼障害や症状誘発
④頭蓋内の損傷を示す血中バイオマーカーの上昇
基準5
「基準5はCTやMRIで頭部外傷の神経画像所見があり、」ですが、これはその通りの意味になります
基準6
「基準6:交絡因子が基準2、3、4の症状、兆候、所見に十分な説明がつかない場合」ですが、これは例えば怪我が起きる前から何かしらの健康問題があり、それによって症状や徴候の説明がつかないことを指します
例えば泥酔している方の場合は頭部外傷と同じような徴候や症状が見られますが、そういった他の要素によって現在の状態が説明がつかない場合を指します
まとめ
今回のまとめです!
- American Congress of Rehabilitation Medicineのmild Traumatic Brain injury の基準について解説
- 診断基準は6つ、そして除外基準が3つある
- 診断基準は大まかには、受傷起点、徴候、症状、臨床所見、画像所見、交絡因子に関しての物
参照資料
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