SCAT6のRed Flagsをおさらいする

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こんにちわ、爪川です

今日の記事ではSCAT6Red Flagsについておさらいしていきます!

“Red Flag”とは直訳すると「赤旗」になりますが、意味としては「大きな危険、止まれ、気をつけろ」となります

それゆえSCAT6のRed Flagsに該当した場合、すぐに競技を中止して医学的検査や病院に行くべきとされています

SCAT6のRed Flagsは全部で11項目ありますので、それを1つずつ見ていきます

SCAT6のRed Flags

Red Flagsの11項目は以下となります

  1. Neck pain or tenderness
  2. Seizure or convulsion
  3. Double vision
  4. Loss of consciousness
  5. Weakness or tingling/burning in more than 1 arm or in the legs
  6. Deteriorating conscious state
  7. Vomiting
  8. Severe or increasing headache
  9. Increasingly restless, agitated or combative
  10. GCS<15
  11. Visible deformity of the skull

Neck pain or tenderness

これは「首の痛みや、首を押された時に痛み(圧痛)」です

脳振盪が起こるほどの衝撃が頭部に加わった際は、首の怪我も起きている可能性がありますので、首のチェックは非常に重要です

Seizure or convulsion

これは「てんかん発作やけいれん」を指します

Double vision

これは「複視」を意味します

複視とは「物が二重に見える」ことです

眼は脳の一部とも考えられるので、眼の異常は適切に評価するひつようがあります

Loss of consciousness

これは「意識消失」を指します

明らかに意識を失っていればすぐにわかりますが、それ以外にも一瞬だけ意識を失ってすぐに取り戻す場合もあります

そのような場合は選手へのヒアリングの他にも、選手の倒れ方、倒れた際に受け身を取れているか等のチェックが必要です

Weakness or tingling/burning in more than 1 arm or in the legs

これは「両腕や両足の筋力低下、チクチク感、灼熱感」を指します

片腕だけの筋力低下などの場合は、神経が急激に伸ばされることで起こるバーナー症候群も考えられますが、両腕ですとより頭部や脊髄といった中枢の問題の可能性があります

またチクチク感や灼熱感といった感覚は神経損傷が起きた場合によく感じますが、この感じ方は人によって表現が変わる場合もあります。例えばチクチク感をピリピリ感と表現する人もいるので、その辺りは注意が必要です

Deteriorating conscious state

これは「悪化する意識レベル」という意味です

脳振盪が起きた場合、頭部への衝撃があってからすぐに症状が出ない場合もあります

それゆえに意識レベルも含めた症状がどのように変化していくかを注意深くチェックしていく必要があります

Vomiting

これは「嘔吐」のことです

脳振盪を受傷した場合でも吐いてしまうことはありますが、脳挫傷などの脳内での出血を伴う場合も嘔吐は症状としてあります

それゆえに、嘔吐があった場合は危険信号です

Severe or increasing headache

これは「非常に強い頭痛、もしくは悪化していく頭痛」を指します

頭痛は脳振盪の症状の中で最も発生する症状ですが、非常に強いもしくは悪化する症状となると、先ほどの脳内での出血やその出血が溜まって脳の組織を圧迫しているということも考えられます

それゆえに頭痛があった場合、それがどう変化していくのかを追うのは非常に大切です

Increasingly restless, agitated or combative

これは「落ち着きがない、興奮する、攻撃的になるといった情動が強くなっていく」ことを指します

脳振盪では情動への影響も起きますが、これは具体例で言うと怒りっぽくなるといったことになります

GCS<15

GCSとはGlasgow Coma Scaleという意識レベルを評価する検査です

これはGCSは15点満点ですが、14点以下の場合はRed Flagになります

Visible deformity of the skull

これは「眼に見える頭蓋骨の変形」を意味します

頭部への衝撃で頭蓋骨の骨折等が起き、凹みがあった場合が具体例となります

頭蓋骨の骨折は触ってみないとわからない場合もあるので、触診も重要となります

まとめ

今回はSCAT6のRed Flagsにある11項目を見ていきました!

  1. Neck pain or tenderness
  2. Seizure or convulsion
  3. Double vision
  4. Loss of consciousness
  5. Weakness or tingling/burning in more than 1 arm or in the legs
  6. Deteriorating conscious state
  7. Vomiting
  8. Severe or increasing headache
  9. Increasingly restless, agitated or combative
  10. GCS<15
  11. Visible deformity of the skull

参照資料

Sport Concussion Office Assessment Tool 6 (SCOAT6)

British Journal of Sports Medicine 2023;57:651-667.

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