はじめに
こんにちわ、爪川です
今回の記事では、
①脳振盪によって脳血流のコントロール機能が低下したことを示唆する研究
②研究結果から脳振盪リハビリをどう考えるか
これら2つについて書いていきたいと思います
脳振盪と脳血流のコントロール
脳振盪によって脳血流のコントロール機能が低下したことを示唆する研究
概要
・2018年に発表
・179名のエリートジュニアアスリートが対象
・選手の競技はアイスホッケーかアメリカンフットボール
・脳振盪を受傷したことがある選手は42名、3回以上受傷したことがある選手は31名
・シーズンが始まる前に全員の脳血流機能を調べる検査を行う(基準値測定)
・その後に選手を1シーズン追跡調査し、脳振盪を受傷した選手は再検査
・再検査は脳振盪受傷後72時間、2週間、1ヶ月のタイミングで実施
・検査では一定のリズムでスクワットを行い、動作中の血圧や脳血流速度などの変化を計測
結果
・1シーズンに18名が脳振盪を受傷
・基準値と脳振盪後の数値を解析すると、脳振盪後72時間と2週間ではスクワット中の『血圧の変化に対して脳血流のコントロール機能の反応が低下していた』
・この低下は脳振盪受傷後1ヶ月後には解消されていた
・脳震盪受傷の18名は中央値14日で競技復帰を果たしている
・脳振盪の受傷回数と脳血流機能の低下では有意な関係は見つからず
研究結果から脳振盪リハビリをどう考えるか
脳振盪を受傷した選手がリハビリを行う際、基本的には段階的に動きの種類や強度を上げていきます
最初は軽い有酸素運動から、次は簡単な個人のスキル練習、ウエイトトレーニング、頭などへの接触を伴わないチーム練習、接触を伴う通常のチーム練習、そして試合復帰というような流れでリハビリを行います
どの怪我のリハビリもうまく行く時もあれば、なかなか回復しなかったり悪化してしまう時もありますが、脳振盪リハビリではウエイトトレーニングを再開した時に症状が強く再発してしまう事があります
ウエイトトレーニングがうまくいかない理由はまだわかりませんが、個人的にはこの研究結果にあるような血圧の変化や脳血流の反応などが関わっているのではないかと考えています
以前のブログ記事にも書きましたが↓(これ読みにくいですね、あとで書き直します💧)
有酸素運動と無酸素運動(ウエイトトレーニングなど)の時の血圧の変化は違います
ですので、有酸素運動のリハビリでは大丈夫でも無酸素運動(ウエイトトレーニングなど)では症状が再発してしまう場合は、血圧の変化やそれに対応する為の脳機能(自律神経など)がまだ十分に回復しきれていない可能性があります
そしてそのような場合では、ウエイトトレーニングでも血圧などの変化量が低いものから段階的に行うというのも1つの選択肢になるのではないかと考えています
例えば上記の研究では一定リズムでのスクワットを検査で行いましたが、トレーニングをされている方であれば実感があるかと思いますがスクワットは自重だったとしても結構疲れる種目です
スクワットだけではなく懸垂や腕立て伏せ、デッドリフトなど『地面(重力)に対して垂直方向に動く種目』は息や心拍数が上がりやすい傾向にあります(個人的な感覚です)
逆にヒップリフトやヒップスラスト、ベンチプレス、レッグプレスなど寝た状態で行う種目や自分の体重は固定されて重りを動かすような種目はそこまでの息や心拍数の変化は感じません
それゆえに、ウエイトトレーニングで症状が再発してしまう・悪化してしまうというような場合は、まずは寝た状態からの動作や自分ではなく重りを動かす種目などから開始するといった工夫もあり得るかと思います
本日は以上となります
最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました🙇
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