コーチからの脳振盪教育活動:アスレティックトレーナーの存在

文献など

アメリカ産アスレティックトレーナー(ATC)
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こんにちわ、爪川です

今回の記事ではアメリカで行われた研究で、「コーチ(監督)から選手への脳振盪に関する教育活動はどの程度行われているか、そしてアスレティックトレーナーがチームに在籍していた場合にその程度の変化はあるのか」を調べた文献を見ていこうと思います

コーチからの脳振盪教育活動:アスレティックトレーナーの存在

参照資料より

アスティックトレーナーとはスポーツ現場において怪我の緊急時対応、怪我の評価、治療、リハビリ、予防などを行うスポーツ医学の専門家のことです

脳振盪に関する教育とは、「脳振盪とはどういったものか?」「その症状は?」「自分や選手が脳振盪になったらどうすべきか?」などに関して選手に教えることです

このような適切な情報を教えている方が脳振盪の予防に繋がり、また脳振盪に関する正しい情報を知っている選手の方が自身やチームメイトの脳振盪の早期発見に繋がります

それゆえに脳振盪に関する教育活動は取り組むべき分野ではありますが、それは今のところ各チームのコーチやアスレティックトレーナーに委ねられています

今回見ていく研究では2021年のアンケートを基に、コーチがどの程度脳振盪教育に携わっているか、そしてそれはアスレティックトレーナーの存在によって変わるかを調べていいます

研究概要

2021年1月、12−17歳の親と同居している青少年を対象にウェブ上でアンケートを実施

アンケートの質問項目は12個ありますが、主なものは以下の質問です

  • 今まで脳振盪もしくは軽度頭部外傷を受傷したことがあるか?
  • 過去12ヶ月以内でコーチから脳振盪に関する教育を受けたか?
  • コーチは脳振盪に関して注意を払っているか?
  • 過去12ヶ月以内でアスレティックトレーナーは練習や試合にどの程度帯同するか?

研究結果

  • 今まで脳振盪もしくは軽度頭部外傷を負ったことがある:8.5%
  • 過去12ヶ月以内でコーチから脳振盪に関する教育を受けた:57.5%
  • コーチは脳振盪に関して注意を払っていると思う:66%
  • 過去12ヶ月以内でアスレティックトレーナーが練習や試合に帯同している:63.4%

過去12ヶ月以内でコーチから脳振盪に関する教育を受けた
アスレティックトレーナーが
練習や試合に帯同している
76.2%
アスレティックトレーナーが
練習や試合に帯同していない
31.9%

この結果からわかるように、おおむね6〜7割ほどの生徒はコーチから脳振盪に関する教育を受けていたり、コーチが脳振盪に注意を払っていると感じています

また、アスレティックトレーナーが練習や試合に帯同していると答えた生徒の方が、コーチから脳振盪に関する教育を受けたと回答する率が高くなっています


脳振盪予防の第一歩はそれに関する教育と考えると、上記の結果からアスレティックトレーナーをより多くのスポーツ現場に派遣していくのが望ましいのではと考えられます

まとめ

今回のまとめです!

  • アメリカの12−17歳を対象としたコーチによる脳振盪教育の有無に関するアンケートを実施
  • 57.5%の生徒がコーチから脳振盪に関する教育を受けたと回答
  • その数字はアスレティックトレーナーが練習や試合に帯同している生徒の方が高くなっている(76.2%に増加)

参照資料

Daugherty J, Waltzman D, Sarmiento K. Provision of concussion information from coaches and presence of athletic trainers: Findings from the 2021 YouthStyles Survey. J Athl Train. 2023 Jan 16. doi: 10.4085/1062-6050-0454.22. Epub ahead of print. PMID: 36645830.

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