はじめに
こんにちわ、爪川です
今回はアメリカの大学生を対象にした「脳振盪からの回復のタイムライン」をまとめた論文を見ていこうと思い明日
アメリカの大学であれば基本的には脳振盪が起きた場合は、脳振盪の評価やリハビリなどの適切な対応が出来る人員であったり準備が整っています
そのような環境下で大学生アスリートが脳振盪を受傷した場合は、どのような回復のタイムラインを辿るのか、この論文を通して見ていこうと思います
脳振盪からの復帰時期:大学生
症状の消失時期
<中央値>
男性:8日(四方位範囲:4〜17日)
女性:9日(四方位範囲:5〜20日)
脳振盪受傷から35日後も症状が残っている割合
<平均値>
男性:10.7%
女性:13.2%
<スポーツ別(割合が高い種目、サンプル数50名以上)>
男性①:バスケットボール、27.4%
男性②:サッカー、34.9%
女性①:バスケットボール、25%
女性②:ラグビー、20.8%
女性③:サッカー、24.2%
学業への復帰時期
<中央値>
男性:7日(四方位範囲:3〜14日)
女性:9日(四方位範囲:4〜17日)
脳振盪受傷から7日後に学業に復帰していない割合
<平均値>
男性:57.6%
女性:55.1%
競技への復帰時期
<部分復帰、中央値>
男性:11日(四方位範囲:8〜21日)
女性:14日(四方位範囲:8〜26日)
<完全復帰、中央値>
男性:15日(四方位範囲:10〜26日)
女性:17日(四方位範囲:10〜34日)
脳振盪受傷から35日後も部分的にも競技復帰が出来ていない割合
<平均値>
男性:12.2%
女性:17.4%
<スポーツ別(割合が高い種目、サンプル数50名以上)>
男性①:ラグビー、33.3%
男性②:サッカー、25.2%
男性③:バスケットボール、14.3%
女性①:ラグビー、41.4%
女性②:サッカー、21.5%
まとめ
今回の文献はアメリカの部活動をしている大学生1974名のアスリートを対象とした研究だったので、多くのスポーツやスポーツ毎の違い、そして男女差などがわかる内容だったかと思います
男女差を見ると男性よりも女性の方が症状が長く続いたり、復帰時期が遅かったりする傾向が見られます。そしてこれはどのスポーツを通しても似た傾向がありますので、スポーツの違いではなく性差によるものの可能性が高いと考えられます
また、興味深いのは脳振盪の発生のリスクが高いアメリカンフットボールは脳振盪の症状が消失する日数は8日(中央値)、部分復帰までの日数が10日(中央値)、完全復帰までの日数が13日(中央値)と、他のスポーツや全体の平均値よりも低いことです
これはスポーツ特性的なものかもしれませんが、この辺を深く調べていくのは他競技の脳振盪の予防や症状の低減につながるかもしれません
今回は以上となります
最後までお読みいただきましてありがとうございました
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