こんにちわ、爪川です
今回の記事では先日イギリス政府によって発表された全てのアマチュアスポーツ共通の脳振盪ガイドラインについて見ていこうと思います
イギリス:アマチュアスポーツへの脳振盪ガイドライン
4月28日にイギリス政府はアマチュアスポーツ(grassroots sports)の参加者に対して、公式の脳振盪ガイドラインを発表しました
以前のブログ記事でも「イギリス政府は脳振盪のガイドラインを作成する」という無用の記事を取り上げましたが、今回はその施策の発表となります(以前の記事はこちら↓)
今まではプロスポーツチームなどでは各競技団体が脳振盪対策やガイドライン等の施策を実行してきましたが、今回の発表ではアマチュアスポーツ全般に対しての統一したガイドラインになります
ですので、これは趣味でクリケットを行っている一般の方や、アマチュアスポーツチームに所属している方など全てを対象としています
発表には細かな部分は掲載されていませんが、簡単にその内容を見ていきます
脳振盪ガイドラインの内容
- “If in doubt, sit them out”→「疑いがあれば抜けさせる」
- この言葉がスローガンや行動喚起の標語になっています。これは脳振盪の疑いがあればすぐに競技から抜ける、もしくは競技からその選手を抜けさせると言った事を指します。これは全ての選手、指導者、保護者、管理責任者に当てはまります
- 全ての選手、コーチ、保護者、管理責任者は以下の3つのステップに関するガイダンスを読み、内容に関して理解しておく
- 脳振盪の症状を認識する
- 脳振盪の疑いがあるものをすぐにスポーツから抜けさせる
- 日常生活、教育、仕事、そしてスポーツに安全に復帰させる
- 脳振盪の疑いがあれば24時間以内はスポーツ復帰すべきでない。また、NHS(国民保健サービス)の111番に24時間以内に電話をすることを推奨する(111番は救急車を呼ぶほどではないが、緊急事態の際に電話を掛ける番号:参照資料2)
- 脳振盪から最初の24−48時間は出来る限りの休息と睡眠をとり、スクリーンを見るようなデバイスの使用は避ける
- 症状の長期化などを避けるために、仕事や教育、スポーツへ徐々に復帰していくことが推奨される
- 4週間以上も症状が続く場合には専門家の診察を受けるべき
イギリスと日本では医療体制が違いますが、参考になる部分は大いにあるのかなと思います
イギリス国内ではこのガイドラインがどのような形で施行されるのかはわかりませんが、学校などもこのガイドラインの対象に含まれるとなると授業や部活でも学生や指導者はガイドラインに関して理解するよう求められるのかもしれません
日本でも部活動での脳振盪や頭部外傷のケースは聞きますが、まだそれに対する知識や対応といったものは選手自身や指導者、保護者に浸透しきれていないと感じます
それ故に日本でもこういった脳振盪に関しての全てのスポーツ、全ての競技レベル共通でのガイドラインが施行されると、より現場にも浸透しやすいのかと思います
参照資料
2 ケンブリッジ(イギリス)の渡英準備と滞在記:NHS111(救急外来)
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